Iris diary

読んだ本の備忘録&文章練習用です。まだまだ拙い文章ながら、継続して更新していきたい。。。

ヒカルの碁(漫画) 感想

これもとても心に響いた作品だった。が、やっぱり物足りない。

一言でいうと、まっすぐな青春漫画といったところかな。

 

主人公ひかるがおじいちゃんの物置で古い碁盤を見つけたところから物語は始まる。

囲碁の天才、藤原佐為の霊に取りつかれ、初めは彼に体を貸す形で囲碁を始めたヒカルであったが、徐々に自分でも打てるようになりたい、強くなりたいと願うようになる。

 

プロを目指す囲碁打ち、実際にプロになった囲碁打ち、その他囲碁愛する人たちの想いが描かれる。挫折もあるけれど、結局は囲碁が好きで、ライバルの想いに触発されて、あこがれの人に追いつくために、といったまっすぐな想いで乗り越えていく姿は、読者側にも綺麗な感情、夢や好きなことを全力で追い求める気持ちを思い出させてくれる。

そういった意味では良作であると思うし、少年漫画としてお勧めしたい作品であると思う。

(私はもう少し闇がある方が好きなので、そういう意味では物足りないかなという感想を抱いてしまったが)

 

最後に、印象に残った言葉を書き留めておきたい。本当に最後のシーン。なぜ君は囲碁をやるのかを問われたヒカルが答えた言葉だ。

「遠い過去と遠い未来をつなげるために、そのためにいるんだ。」

佐為が自分のもとに現れた意味にもこたえる言葉でもあろう。

ただこの言葉はヒカルが囲碁をする意味だけにとどまらない。古い時代からあり、現在も年代関係なく愛される囲碁を打つ人、本作の登場人物すべてに当てはまる。さらには、囲碁関係なく、何でも好きなことに打ち込む人であれば、“誰しも”が当てはまることではないかと思う。自分が真剣に取り組むことによって、その想いは別の誰かに伝わり、時代を超えて受け継がれていく。どこまでもまっすぐで、夢のある言葉でとても好きだ。